フォルクローレで足を組んでギターを弾いている方には、あまり関係のないお話です。
クラシックギター弾きには、「ああ、足台ね」とすぐわかる筈です。
その場合多くは、左足の下に台を置いてギターのサウンドホールが体の真ん中に来る様にして、糸巻(マシーンヘッド)の先端が頭の位置位に来る様に構えます。
近代ギター音楽の父と称されるスペインのギタリスト、フランシスコ・タレガ(Francisco Tárrega, 1852–1909)(写真)。
近年のギタリストはこの構え方からさらにギターを立てた構え方をする奏者が増えています(女流ギタリスト猪井亜美)。
足台を使う際のポイント
足台の位置:
左肩の少し前あたりに置き、左足をまっすぐ乗せます。
ギターの支え: 左足、右足、胸、右肘の内側の4点で支えると、手で持たなくてもギターが安定します。
角度: チューニングペグ(糸巻き)が自分の目の高さくらいに来るのが理想的です。
椅子: 膝が腰より少し高くなるか、水平になる程度の高さの椅子を選び、浅めに腰掛けるのが基本です。
最近では、腰への負担を減らすために足台を使わず、ギターの横側に吸盤などで取り付ける「支持具」を使う奏者も増えています。
より以前のスペインのギタリスト、ディオニシオ・アグアド(Dionisio Aguado, 1784–1849)は、現代の「足台」を使った奏法とは異なり、ギターを支えるための三脚のような器具「トリポディオン(Tripodion)」を考案・使用していたことで知られています。
これはアグアドが考案した、ギターを固定して演奏するための三脚式の支持台です。足代わりの役割を果たし、体にギターが触れないことで音量や響きを向上させる狙いがありました。
アグアドと奏法
爪を使った奏法: 親友であったフェルナンド・ソルが「指の頭(指頭)」で弾くのを好んだのに対し、アグアドは「爪」を使って弾く奏法を提唱しました。
近代奏法の先駆者: 彼が1825年に出版した『ギター教本(Escuela
de Guitarra)』は、現代のクラシックギター奏法の基礎の一つとなっています。
スペインのギタリスト、ディオニシオ・アグアドが考案した「トリポディオン(Tripodion)」は、ギター演奏の歴史において非常にユニークで画期的な発明でした。
現代の足台や支持具の遠い先祖とも言えるこの器具について、その構造と目的を詳しく解説します。
トリポディオンの構造と仕組み
「トリポディオン」は、その名の通り三脚(Tripod)のような形をした木製の支持台です。
固定方法:
ギターの底部(エンドブロック付近)をこの台に差し込み、ネジやクランプのような機構で固定します。
自立型: 奏者の体で支えるのではなく、器具自体が床に立ってギターを保持します。
調整機能:
奏者の身長や好みに合わせて、ギターの高さや角度を細かく調整できるよう設計されていました。
考案した主な目的とメリット
アグアドがこの大掛かりな器具を作ったのには、明確な2つの理由がありました。
音響的なメリット(音量の増大)
当時のギターは現代のものより小ぶりで音量も控えめでした。
アグアドは、「ギターが奏者の体に触れることで、裏板の振動が妨げられている」と考えました。
トリポディオンでギターを宙に浮かせ、体から離すことで、楽器全体の共鳴を最大限に引き出し、より大きくクリアな音を出そうとしたのです。
演奏技術の向上(左手の自由)
ギターを器具に完全に委ねることで、奏者は楽器を支える必要がなくなります。
これにより、左手がネックを支える負担から解放され、より複雑で素早い運指が可能になるとアグアドは主張しました。
なぜ普及しなかったのか?
非常に論理的な発明でしたが、残念ながら現代には定着しませんでした。
携帯性の悪さ: 重くてかさばる木製の三脚を演奏会ごとに持ち運ぶのは非常に困難でした。
一体感の欠如: 多くの奏者は、楽器が体に触れていることで得られる「フィードバック」や「楽器との一体感」を好みました。
足台の普及:
後にタレガが広めた「足台」の方が、シンプルで安価、かつ十分に実用的であったため、主流の座を奪われました。
しかし、その「楽器を体から離して響きを良くする」「理想的な姿勢を保つ」という思想は、現代の「ギターリフト」などの最新の支持具に脈々と受け継がれています。
アグアドのこの発明は、現代の「足台を使わない支持具(ギターサポート)」の哲学の先駆けと言えます。
現代のクラシックギター演奏において、足台(フットスツール)の代わりに使用される「支持具(ギターサポート)」についてさらに詳しく解説します。
支持具の最大のメリットは、両足を床につけたまま、背筋を伸ばして自然な姿勢で演奏できることです。
これにより、足台の使用で起こりがちな腰痛や体のゆがみを軽減できます。
主な種類とそれぞれの特徴は以下の通りです。
選ぶ際の注意点
塗装との相性: セラック塗装やラッカー塗装など繊細な仕上げのギターの場合、吸盤を直接つけると塗装を傷めることがあります。
その場合は、保護シール(吸盤装着用の透明フィルム)を貼るのが一般的です。
体格と椅子: 自分の身長や使用する椅子の高さによって、必要な「高さ」が異なります。
調整幅の広いもの(ErgoPlayなど)から試すのがおすすめです。
各器具の写真を並べる
エルゴプレスの中国製レプリカ
ギターサポート
ギターリフトの中国レプリカ
自家製プアマンズフギターリフト
![]() |
| エルゴプレスの中国製レプリカ |
![]() |
| ギターサポート |
![]() |
| ギターリフトの中国レプリカ |
![]() |
| 自家製プアマンズフギターリフト |
フォルクローレ界にこの様な支持具を使用している人が皆無かというとそうではなく、木下尊惇さんがギターサポートの愛用者である。

























