2026年4月1日水曜日

「ギターの支持具について」三澤 常美(ビエントス・チャランゴ)

 

 フォルクローレで足を組んでギターを弾いている方には、あまり関係のないお話です。

 クラシックギター弾きには、「ああ、足台ね」とすぐわかる筈です。

 その場合多くは、左足の下に台を置いてギターのサウンドホールが体の真ん中に来る様にして、糸巻(マシーンヘッド)の先端が頭の位置位に来る様に構えます。

 近代ギター音楽の父と称されるスペインのギタリスト、フランシスコ・タレガ(Francisco Tárrega, 1852–1909)(写真)。



 近年のギタリストはこの構え方からさらにギターを立てた構え方をする奏者が増えています(女流ギタリスト猪井亜美)。



 足台を使う際のポイント

 足台の位置: 左肩の少し前あたりに置き、左足をまっすぐ乗せます。

 ギターの支え: 左足、右足、胸、右肘の内側の4点で支えると、手で持たなくてもギターが安定します。

 角度: チューニングペグ(糸巻き)が自分の目の高さくらいに来るのが理想的です。

 椅子: 膝が腰より少し高くなるか、水平になる程度の高さの椅子を選び、浅めに腰掛けるのが基本です。

 最近では、腰への負担を減らすために足台を使わず、ギターの横側に吸盤などで取り付ける「支持具」を使う奏者も増えています。


 より以前のスペインのギタリスト、ディオニシオ・アグアド(Dionisio Aguado, 1784–1849)は、現代の「足台」を使った奏法とは異なり、ギターを支えるための三脚のような器具「トリポディオン(Tripodion)」を考案・使用していたことで知られています。

 これはアグアドが考案した、ギターを固定して演奏するための三脚式の支持台です。足代わりの役割を果たし、体にギターが触れないことで音量や響きを向上させる狙いがありました。

アグアドと奏法

 爪を使った奏法: 親友であったフェルナンド・ソルが「指の頭(指頭)」で弾くのを好んだのに対し、アグアドは「爪」を使って弾く奏法を提唱しました。

 近代奏法の先駆者: 彼が1825年に出版した『ギター教本(Escuela de Guitarra)』は、現代のクラシックギター奏法の基礎の一つとなっています。

 スペインのギタリスト、ディオニシオ・アグアドが考案した「トリポディオン(Tripodion)」は、ギター演奏の歴史において非常にユニークで画期的な発明でした。

 現代の足台や支持具の遠い先祖とも言えるこの器具について、その構造と目的を詳しく解説します。

トリポディオンの構造と仕組み

 「トリポディオン」は、その名の通り三脚(Tripod)のような形をした木製の支持台です。

 固定方法: ギターの底部(エンドブロック付近)をこの台に差し込み、ネジやクランプのような機構で固定します。

 自立型: 奏者の体で支えるのではなく、器具自体が床に立ってギターを保持します。

 調整機能: 奏者の身長や好みに合わせて、ギターの高さや角度を細かく調整できるよう設計されていました。

考案した主な目的とメリット

 アグアドがこの大掛かりな器具を作ったのには、明確な2つの理由がありました。

音響的なメリット(音量の増大)

 当時のギターは現代のものより小ぶりで音量も控えめでした。

 アグアドは、「ギターが奏者の体に触れることで、裏板の振動が妨げられている」と考えました。

 トリポディオンでギターを宙に浮かせ、体から離すことで、楽器全体の共鳴を最大限に引き出し、より大きくクリアな音を出そうとしたのです。

演奏技術の向上(左手の自由)

 ギターを器具に完全に委ねることで、奏者は楽器を支える必要がなくなります。

 これにより、左手がネックを支える負担から解放され、より複雑で素早い運指が可能になるとアグアドは主張しました。

 なぜ普及しなかったのか?

 非常に論理的な発明でしたが、残念ながら現代には定着しませんでした。

 携帯性の悪さ: 重くてかさばる木製の三脚を演奏会ごとに持ち運ぶのは非常に困難でした。

 一体感の欠如: 多くの奏者は、楽器が体に触れていることで得られる「フィードバック」や「楽器との一体感」を好みました。

 足台の普及: 後にタレガが広めた「足台」の方が、シンプルで安価、かつ十分に実用的であったため、主流の座を奪われました。

しかし、その「楽器を体から離して響きを良くする」「理想的な姿勢を保つ」という思想は、現代の「ギターリフト」などの最新の支持具に脈々と受け継がれています。

 アグアドのこの発明は、現代の「足台を使わない支持具(ギターサポート)」の哲学の先駆けと言えます。


 現代のクラシックギター演奏において、足台(フットスツール)の代わりに使用される「支持具(ギターサポート)」についてさらに詳しく解説します。

 支持具の最大のメリットは、両足を床につけたまま、背筋を伸ばして自然な姿勢で演奏できることです。

 これにより、足台の使用で起こりがちな腰痛や体のゆがみを軽減できます。

 

主な種類とそれぞれの特徴は以下の通りです。


選ぶ際の注意点

 塗装との相性: セラック塗装やラッカー塗装など繊細な仕上げのギターの場合、吸盤を直接つけると塗装を傷めることがあります。

 その場合は、保護シール(吸盤装着用の透明フィルム)を貼るのが一般的です。

 体格と椅子: 自分の身長や使用する椅子の高さによって、必要な「高さ」が異なります。

 調整幅の広いもの(ErgoPlayなど)から試すのがおすすめです。

 

各器具の写真を並べる

エルゴプレスの中国製レプリカ

ギターサポート

ギターリフトの中国レプリカ

自家製プアマンズフギターリフト

エルゴプレスの中国製レプリカ

ギターサポート


ギターリフトの中国レプリカ


自家製プアマンズフギターリフト


 フォルクローレ界にこの様な支持具を使用している人が皆無かというとそうではなく、木下尊惇さんがギターサポートの愛用者である。



2026年3月1日日曜日

「好きな音楽を気ままに」鈴木 賢二(ギターラ)

 

 好きな音楽を勝手気ままに書いていきます。

世界の民族音楽イメージ


 ネイティブアメリカンから。


 Pochontas別名Colors of The Wind、演奏者はYawarpumaRamy Salazar他。

 好きな曲はLove Mountains。 

Clors of the wind


 ケルト系ではアイルランドのEnya、渋い声のDolores KeaneCaledonia、グループではCeltic Womanなど、北部スペインのLuar na lubre、カナダのLorena Mckennittの曲、Cymbelineもいいですね。


また、いろいろありますが、次に移ります。


フラメンコもきりがありませんが、Guitarr Azui のSad AngelSenorita

Oasisなど、フランスのGipsy Kingsもいいですね。


ポルトガルのFadには、Dulce PontesLagrima、ポルトガルギターの名手Carlos Paredes なども圧巻です。


アジアに目を向けます。馬頭琴の美麗草原私的家、韓国のチョーヨンピルの恨五百年も素晴らしい。


二胡では、西洋人のEliott Tordなども聞きどころです。


日本では、中島みゆきさんのひまわり、深草アキさんや姫神も大好きです。


フォルクローレはきりがありませんが、メキシコのAna GabrielNo Te Hago FaltaARCANOLa Caocion Mas Triste Del Mundo 別名El Tren Que Nos Separa 、日本人でメキシコを歌うCristina Mitaのグラナダも聞き応えがあります。

ARCANO


フォークソングでは、Shawa Colvin の歌うBoxerPaur SimonDuncan、バックはUrubambaです。


あとは勝手に挙げると、ルーマニアのパンフルート奏者、Gneoghe  ZamfirLucy ThomasHallelujah、ドイツJames Last楽団のサンタマリアの祈り、Searet GardenSong from A Secret Gardenなど。


  ギリシャのYanniも壮大な曲が多いです。


最後はアメリカ、ニューエイジミュージックWindham HillレーベルのピアノのGeorge Winston、ギターのWillram Ackarmanなども聞きどころです。


勝手気ままにあげてきましたがキリがありません。


世界にはいろいろな民族音楽があります。


よろしかったらYouTubeなどで検索して聞いてみてはいかがですか。

2026年1月1日木曜日

「ケーナ雑感」木戸岡 信次(ビエントス) 

 

ケーナと出会って30数年? マンネリ化しているかとも思えた最近でしたが

相次いで新しい発見がありましたのでお話しします。

当たり前と思う方、違うと思う方も多いと思いますがあくまで個人的な見解です。

 

アントニオ・パントーハの「ケーナ教室」のLPレコード
        A面はケーナの解説、B面がケーナの模範演奏


発見その1  指使いは3X3!

ケーナを始めた当初 左手上3 右手下3で練習していましたが、左手の3番目薬指の動きがままならず、ケーナの先生の指使いが2x4でスムースに演奏しているので2x4に変えて30数年やってきました。

しかし全閉・最低音が出しにくい。 

演奏がままならず思い切って3x3に変えました。

意外と薬指問題なく、最低音問題も解決。 

あとはケーナの固定がままならず、いろいろ手を変え、品を変え やってますが最善策は見つかっていませんが、2x4よりははるかに良いと思っています

 

ケーナによる運指の違い

(名古屋大学フォルクローレ同好会のサイトから)


発見その2 ビブラートは意識しないとつかない!

 ケーナ教室で“ビブラートは自然につく”と教わりました。

 たぶん“練習を繰り返せば自然な雰囲気できれいなビブラートがつく”ということだったのだと思いますが、30数年ビブラートを意識せずにやってきてしまいました。

今すべての音にビブラートがつくよう意識してます。

 

Los VientosのCD(Vol.1)
長岡竜介さん、菱本浩二さんがケーナ担当

発見その3 息継ぎの秘密!

 秘密でも何でもない 知っている人は知っていることと思いますが。

 歌を練習していて気づきました。

 大きな声、長く出すにはその前に息継ぎをしていると。

 ケーナも大きな音を長く出すのには、その前に息継ぎをしている。

 ただ非常に素早く、聞いていると連続しているようにきこえます。

 ケーナの名手は超人的な肺活量か、真似できないと思っていましたが、真似できそうなのでうれしいです。

 

2025年12月1日月曜日

「希望への刺激」岡田 清和(ビエントス)

 

 足の怪我をしてから2年半、未だに痺れや脚力が弱いため歩行浴プ-ルには、週3~4回通っています。

 プ-ルで顔なじみになった粟田さん(90歳)は、車を運転して来ます。

 健康維持のため何十年も歩行浴に通い、目や耳、足も丈夫で話題も豊富な方で、一緒に歩くのが楽しいです。

  そんな溌剌とした粟田さんに刺激を貰い私も歩行浴を頑張っています。

  脚力(筋肉)を付けるにはいろんな運動をする必要があると思い、ゴキブリ

体操、スクワット、踵上げ運動、片足立ち等、朝と夜、毎日行っています。

ゴキブリ体操(仰向けになったゴキブリのように手足を動かす)




踵上げ体操の図

 陸上は、長い距離や早歩きが出来ない状態ですので、目標を立て半年で5km、  1年で10km歩く事が出来るように、週2回近くの島上条公園(550/周 で、まず2周(1km)から始めました。

   

甲斐市の島上条公園


 無理して運動すると、身体を壊すこともあるので地道にコツコツやっています。

  痺れについては整骨院で電気を掛けたり、筋肉の凝りを解したり筋を伸ばし 血行を良くして貰っています。

  現状より良くなればと、週2回通っていますので毎日が忙しいです。

  フォルクロ-レもサークルの皆さんから、刺激を貰いながら少しずつ成長して来たと感じております。

 これからも楽しい刺激をお願いします。

2025年11月1日土曜日

「趣味に没頭する日々」丸山 高男(ビエントス)

 一年は、早いですね。
 もうこの時期になってしまいました。
  いつもこの期間はぶどうの出荷も終わりゆっくり自分の時間と、趣味に没頭する日々です。
  読書や、オーディオ機器の修理、レコード鑑賞、天体望遠鏡機器の整備、天体観測、そして一番大事なフォルクローレの練習参加等々結構忙しくしてます。
読書の秋、食欲の秋、芸術の秋・・・


  特にこの時期、がらくたをハードOFFに行っては見つけて自分で修理するのがこの上なく楽しい趣味なんです。
  なんか非常に得した感じになるんですよね。
  昨年は昔からあこがれだった望遠鏡のジャンクをよせばいいのに買って、四苦八苦の末、完全復活ました。 
 家内には叱られてますけど(笑い)だんだん根気がなくなっていくのが寂しい気もします。
日本のモノラルカートリッジ。ステレオ盤で使ってもレコードを傷めない


  オーディオの方は、先日堀込君から、モノラルのオーディオカートリッジを拝借して聞かせてもらったら、これがなんと生々しい嬉々とした音が聞こえるんですよ。
  改めてモノラルレコードの素晴らしさに感激しています。

  今の人たちはレコードなんて興味がないかもしれませんが、配信で聞く音楽とアナログの音は別次元です。
 若い人たちにもぜひレコードを聴いてもらいたいです(昭和かな)そんなこんなで人生楽しんでます。
アナログレコード


  皆さんもこの一瞬を楽しんでください。 
 時間は戻らないので日々元気で楽しく生きましょう。

2025年10月1日水曜日

「LPレコードのクリーニング」堀込 孝一(ビエントス)

 

 古レコード屋、フリマ、オークションサイトなどで、まだまだフォルクローレLPを見かけるが、気になるものは、ついつい購入してしまう。

 CDに無い音源もあり、また、ジャケットも楽しい。


LPレコードの一部(スルマ・ユガール、グルーポ・ボリビア、ハチャマリュク、ラリス)。
※スルマ・ユガールは、ピエル・モレナに期待したが、CDとは別録音、CDの方が音も内容も良い。
※ラリスは、ジャケットもそのままCD化されているが、内容もジャケットもツボです。

 購入品は、届いてから盤の傷などを確認するのだが、聴いてみないと分からないもので、また、聴く側の環境(システム)でも変わるので、「当たり」、「はずれ」も気軽に楽しんでいる。

 中には、盤がひどく汚れているものもあり、その場合は、そのまま針を落とすのも辛いので、盤をクリーニングしてから聴くことにしている。

 クリーニングと言っても自分の場合、食器洗い用の中性洗剤とスポンジで水洗いというのが定番である。 

 水洗いで、一番気を使うのが、レコード盤の中心に貼られているレーベルのシールである。

 紙シールみたいなものなので、水には弱いのである。

 ここを保護できればと考えたが、今では、「レーベル・プロテクター」なる便利な商品もある。

レーベル・プロテクター(アマゾンから)。
レーベル大の円形の板2枚で、ボルトでLPの真ん中の穴を利用してLPをサンド。
レーベルの部分だけ水濡れを防止する。


私の道具
洗剤は、中性ではないが「JOY」がお勧め。
スポンジではなく、専用ブラシを愛用。
洗ったLPを水を軽くふき取り乾かすための、100均のまな板スタンド。
私の使うプロテクターは、試作品をオークションサイトから購入したもの。EP用もある。
ここには無いが、ブラシとして、歯ブラシの「システマ」を愛用する方も少なくない。


 洗剤で、水洗いする前に、水で汚れを流しておくことをお忘れなく。

 水洗いの後は、柔らかい布等で軽く水をふき取り立てかけて乾かす。

 100均のまな板スタンドが安くて使いやすい(同時に3枚まで乾かせる)。

これから洗浄。
真ん中のネジに薄いゴム板とプロテクターを乗せ、ネジで締める。
LPは、グルーポ・アイマラのアンデス文明。

 クリーニングの効果は、概ね分かりやすく、ノイズが減り、また、音がクリアになることが多い。

 また最近、安いクリーニングマシーンも発売されている。

クリーニング・マシーン(アマゾンから)
水と超音波で洗浄。眼鏡屋さんの店頭のクリーナーと同じ原理。

 専用機としては、格安で、厚み以外は、ほぼLPサイズ、12インチLP、10インチLP、EP盤に対応。

 価格は、10万円前後であるが、とても気になる。

 近い将来、夜な夜なレコードを機械洗浄している自分を想像している。


 




 


2025年9月1日月曜日

「モカさんとボンボ」桜井 小百合(ボーカル・パーカッション)

 

 二年前に総勢六匹居た我が家の猫の最後の一匹『とらじろう』が虹の橋を

渡り、もう猫を飼うのは止めようと決めていた。

 しかし、昨年7月のある日のこと。

 旦那が散歩から帰宅して何やら玄関先で騒いでいた。

 見に行くと、開け放たれた玄関に旦那が立ち、その足元には子猫がちょこんと座っていたのだ。

モカさん降臨

 カラスに狙われていたから連れてきた、と申し訳なさそうに話す旦那。

 さてどうしよう…と考えていると、その子猫はスタスタと玄関から廊下に

上がり奥の居間に入ってしまった。

 後を追って居間に行くと、子猫は『もうここを動かないぞ!』という感じ

で座り込み、こちらを見上げている…

 ここまでされたら(?)無視できないので、飼うことになった。

 三毛猫の子猫は『モカ』と名付けた。我が家にもすぐに慣れて、家の中を

元気に走り回ったりオモチャで遊んだり。

 そして疲れるとひたすら眠る毎日。

 このモカさんの一番のお気に入りの場所が、ボンボの上なのである。

 ケースに入っているとはいえ頻繁に乗られると上面の毛皮が剥げてしまわ

ないかと心配なのでモカさんを猫用ベッドに移すのだが、すぐにボンボの上に

戻ってしまう。

 こちらが根負けして、ボンボの上に板を乗せてクッションを置いて摩擦を減

らすようにした。

モカさんのお気に入り


 これで一件落着!…とはいかなかった。

 ボンボを持ってフォルクローレの練習に出掛ける時。

 モカさんが玄関まで付いて来るのだが、私のお見送りをするためではない。

  『私のボンボを返して!』ということらしく、私が靴を履くためにボンボを

床に置いた瞬間にモカさんはボンボに乗りしがみつくのだ。

 モカさんをボンボからひっぺがして廊下の向こうに放り投げ(!)、泥棒が逃げるかのごとく素早くボンボを担いで玄関から出て行く…というのが常なのである。

 練習から帰宅した時もモカさんは玄関で待ち構えている。

 もちろん、私をお迎えするためではない。

床にボンボを置いた瞬間、またしてもボンボに乗りしがみつく。

そして、 『私のボンボをどこに連れて行ったの?許さないわよ!!』とでも言うか

のようにキッとこちらを睨みつける。

招き猫の画像、三毛猫です。


 普段はとても可愛らしい猫なのだが、ボンボのこととなると猫が変わるのである。

 今日も気持ち良さそうにモカさんはボンボの上で丸くなって寝ている。