2023年9月1日金曜日

「レコードプレーヤーの回転数」堀込 孝一(ビエントス)

 

 最近は、世界的なLPレコード・ブームだそうで、レコードプレーヤも高級品から安価な物まで、手に入れやすくなっている。

しかも、安価な機種で3スピード対応のプレーヤーも複数有り、LP(33・1/3回転)、EP(45回転)、SP(78回転)までの回転数に対応している。

 私が、LPEP用で使用しているプレーヤーは、クォーツで制御されているのでピッチ調整は不要であるが、SP用に使用しているプレーヤーは、78回転に対応しているものの細かいところは、「ピッチ調整つまみ」で調整する仕様。

今は無きメーカーのレコードプレーヤー。3スピード


ピッチ調整つまみ。2つのツマミにより無段階に調整可能

 この調整が多少面倒であり、「ストロボスコープ(板)」と、「スコープ用のライト」が必要となる。

 ストロボスコープは、通常、回転数表示と他に50Hz(ヘルツ)、60Hzの表示がある破線状の模様が付いた板であり、これをターンテーブルの上にレコード盤のように載せて回転させ、スコープ用のライトを当てることにより、プレーヤーが適正な回転数にあるかが解る。

 円に沿った破線状の柄が止まって見える位置、その回転数が適正な回転数である。

ヘルツ地域図 「アカリセンター」というサイトから転載

 山梨県は、東京と同じ50Hz圏(東日本)であるが、隣の長野県やそれより西側は60Hz圏となる。

 狭い国土で50Hzと60Hzが共存する国は珍しいというが、日本での電気導入の経緯によるものらしい。

 現在の家電は、両方のヘルツに対応しているものが大半なので、ヘルツを意識することはほどんどないのだが・・・。 

上がプリントアウトし切り抜いたもの
下が、AT社の製品。2スピードに対応

 製品としてのストロボスコープは、オーディオテクニカ製のAT6180を持っているのだが、33回転と45回転しかない。

フィデリックスのサイトにあるストロボスコープ
両ヘルツの3スピードに対応

78回転のためにストロボスコープ買い直すのももったいないので、ネット検索し「フィデリックス」という会社サイトにある「回転数標記が正確なストロボスコープを作ってみました。(中川 伸 氏)」からダウンロードし、紙で作成した。

真ん中に穴を開けることさえ出来れば、私の感覚では、正直言って紙で十分と思う。

 プレーヤーによっては、レコード盤を載せないで回転を合わせても、モーターが非力などの理由でレコード盤の重さで回転がずれる物もあるので、レコード盤を載せてから調整をはかる方が確実である。

 ストロボスコープを使うには昔から蛍光灯スタンド等の発光する光源が必要である。

 人の目ではわからないが、蛍光灯では50Hzで1秒間に100回、60Hzでは1秒間に120回の発光を繰り返しているそうである。

電球が110円、ソケットが2~3百円、ケーブル等はリサイクルで0円

 発光装置として蛍光灯スタンドの代わりに「100均のLEDナツメ球」を用意し、「ホームセンターでソケット(E12)」を買い、家にあった「余り物のコンセント」をつないだ。

発光装置は、専用品を買うと1万円は下らないが、代用品としてはこれで十分である。

メーカーから販売されているセット(アマゾンから)
左がストロボスコープ。右が、ストロボライト

そのタイミングでスマホのライト発光をさせるというアプリもあり、試してはみたが、自分のスマホの発光ではストロボスコープを上手く読み取れなかった。

光を当てながらピッチ調整つまみを回す
目当ての個所の波状の模様が止まって見えれば適正回転数

 ピッチ調整後の音は、CDLPと比較した「聴感」でも違和感はなかった。最初から「聴感だけ」でピッチ調整することも不可能ではないだろうけど・・・。

 仕舞い込んでいた古いレコードプレーヤーを使う場合や中古のレコードプレーヤーを購入した場合などは、ストロボスコープで、回転数のチェックを是非してみて下さい。

アナログレコードは、かなり楽しい。