2016年6月1日水曜日

「好事魔多し」 今村 均 (ギター・ボーカル)

3月中旬の事、会合の後に友人達と夕食を食べ、お酒を飲んで大変盛り上がりました。
一次会で家に帰れば良かったのに、調子に乗って1人スナックに寄りました。食堂の隣のスナックのママが手招きして、たまには寄っていかない?


 自分ではあまり飲んだ記憶が無いのに、帰り道転んで頭を打ち、家に帰った時は頭から血を流し、血だらけになってました。家内が慌てて救急車を呼んだから、夜中にそのまま救急病院に運ばれました。幸い怪我は大した事は無く、2日後には沖縄の宮古島に行けたくらいでした。
10日後、スーパーで新鮮な鯵のタタキとシメ鯖を買い夕食で酒の肴にしました。今まで何度と無くしてきた事、当たり前の食事でした。
ベッドに入ってしばらくすると食道が締め付けられる様に苦しい。初めての感覚です。
トイレに行き無理矢理吐きました。しかし、食道の痛みは良くならず、胃薬を飲んで休みました。
朝までまんじりともせずに過ごして内科医に行きました。診察の結果「魚の寄生虫、アニサキス」に侵され内視鏡で胃壁と共に駆除しました。
自業自得とは言えとても苦しかったです。


私には付き合い始めて60年の友人が居ます。
その弟さんとも同様です。
今年の初めに会ってから暫く会えない期間が有りました。東京と山梨とに離れて生活しているので、当たり前に数ヶ月会えない事はあり、なんの不思議にも思いませんでした。
ゴールデンウィーク中に帰省するのか連絡を入れたら、病気療養中との事。いつも元気に酒を酌み交わしていた仲なので何の病か聞いたところ、言い淀んだ末に「悪性リンパ腫」の治療で築地の国立癌センターに入院していたとの事。
驚いて詳しく話を聞いた結果、抗がん剤治療で、副作用もあり、とても連絡することは出来なかった、これからも3週間治療、1週間療養というのを何回か繰り返すそうです。

自分で勝手に酔っ払って転んだり、寄生虫に感染して苦しい思いをしたり、何でこんな事が続くのか不思議で、本気で厄払いを考えていました。
彼の弟さんは同時期に結腸癌が見つかり、11時間に及ぶ大手術、幸い手術はうまくいって今は療養中との事。
はたと気が付きました。友人の苦しみ痛みの万分の一でも神が分け与えたのだと言うことを。
治療はどんなに苦しくとも1人で耐えなくてはなりません。そんな時そばにいて一緒に頑張ってくれる人がいればどんなにか心強い事でしょう。
一緒に居なくて良くなるように祈ることしか出来ないとしても病状を知ってさえいれば気持ちを伝えることは出来ます。何も知らされず、後になって苦しんでいたのを知るのは辛いものです。

命に別状ない怪我は大した事はないし、寄生虫なども、今思えばなんと大した事ない話か。
昨日お見舞いして、今の様な話をして、これからも頑張って治療を続けるように手を握って伝えて来ました。手の温もりが今も残っています。
健康のありがたみを感じずにはいられません。