2014年10月1日水曜日

「怪しい奥さん」 桜井小百合(ボーカル・ボンボ)

我が家は八百屋を営んでいる。

先日、店に近所のお婆さんがやってきて 「奥さんは、土曜日の夜に何処へ出掛けるでぇ?」 と尋ねた。

「えらいたくさんの荷物を車に積んで出掛けて遅い時間に 帰ってくるから家族で『八百屋の奥さんは何処へ出掛けているずらか?』って言ってるだよ。だから、今日は買い物ついでに私が聞いて来ると言って来たさ」 と。

毎月第二・第四土曜日はモンターニャスの練習日。

『たくさんの荷物』というのは、ボンボやチャランゴ・楽譜が入ったカバンなどの事であろう。

遅い時間と言っても十時過ぎくらいである。年寄には遅い時間になるのかな?

お婆ちゃんに音楽の練習に行っているのだと教えると、

「音楽?カラオケけぇ?」

とまた質問してきたので

「いや、南米の民族音楽っていうのをやっていて・・・」

と説明しても解る筈もなく

「ほう!民謡をやっているだけぇ?」

なんて感心している始末。まぁ、当たらずとも遠からずなんだけども。

「ペルーやボリビアっていう外国の音楽で、太鼓を叩いているんだよ」

と言うとやはり『太鼓』に反応して

「踊りもやるだけ?」

と・・・。盆踊りじゃないんだからさ~。

とまぁ、終始チグハグな会話を交わし、お婆ちゃんは半分納得して半分謎を残したまま帰って行った。

どんな風に家族に説明したのかなぁ。

それにしても。ご近所さんてよく見ているものだ。

夜に大荷物を車に運び込んで出掛ける八百屋の奥さんを見て、よっぽど怪しいと思ったんだろうなぁ。