2017年3月2日木曜日

「ロス・インディオス」 堀込 孝一(ビエントス)

「ロス・インディオス フォルクローレ・アルバム」を聴いた。 ポリドールのLPレコードで、1976年頃の作品か。 最近中古で手に入れた。

「ロス・インディオス」といえば、
「ロス・インディオス・タバハラス」というメキシコ?のデュオもあるが、
日本では、演歌とかムード・コーラスの「ロス・インディオス」である。
あの「別れても好きな人」の「ロス・インディオス&シルヴィア」の「ロス・インディオス」である。
ロス・インディオスが、元々ラテンやフォルクローレを演奏していたと聞いたことがあったが、
どんな演奏をしているか気になっていた。


LPには、モンターニャスでレパートリーとしている「滅びゆくインディオの哀歌」、「コンドルは飛んで行く」や
「素焼きのカメ」等が入っている。アンデス・フォルクローレの王道ともいえる選曲に期待した。

さて・・このLPは、日本語で歌うフォルクローレ・アルバムである。
日本語でのフォルクローレは、加藤登紀子の「灰色の瞳」などの名曲やカルカスの「泣きながら」の日本語詩の好演がなどあるが、
他には、訳が直訳過ぎるものやムードの無い歌詞のものも多く、成功したと思えるものは少ない。

しかし、ロス・インディオスの日本語フォルクローレは、期待以上に素晴らしかった。
ユパンキの「儚い煙草(はかないタバコ)」やビオレタ・パラの「天使のリン」などすんなり聞けてしまう。
日本語でもフォルクローレらしさを失っていないのだ。
「フォルクローレは、専ら現地の言語で歌うべき」という私の考えは、改めさせられた。

好みの問題もあろうが、ロス・インディオスのフォルクローレに対する愛情や熱意を感じられるアルバムである。
ボーカルだけでなく、ケーナやチャランゴも自分たちで演奏している点も聴きもの。
このLPは、CD化されていないだろうし、今後もCD化される可能性も乏しい。
もったいない気がする。