2024年9月1日日曜日

「「だんぼっち」を導入した話」 堀込 孝一(ビエントス)

  皆さん、「夜遅くまで、ケーナやサンポーニャを思いきり、吹いてみたい」と思ったことは無いでしょうか。

 そのための一つの方法が、「防音室」を家に設置することだと思います。


 一番現実的な方法だと思いますが、コストやスペースの関係であきらめてしまう人も多いと思います。

だんぼっち とその使用イメージ(だんぼっち販売サイトから)

 今回は、管楽器練習のために、簡易防音室「だんぼっち」を導入したという話です。

「だんぼっち」とは、簡易防音ブースで、名前のとおり「段ボール」でできています。


だんぼっちグランデ 内部サイズ(販売サイトから)

 安くて(新品が8万円台から14万円台位:送料別)、軽量なところが売りだと思います。

 現在「だんぼっち(スタンダード)」、「トール」、「ワイド」、「グランデ」の4種類があるそうな。

 

4種類の展開とサイズ(販売サイトから)

 スタンダードは、立ってケーナを吹くには高さ(内148㎝)が不足。

 トールは、立ってケーナを吹けるが、トヨスなどは(自分が斜め吹きのため)幅が(内74㎝×104㎝)足りない感じ。


 そこで、グランデならぎりぎりセーフか(内104㎝×104㎝×高さ192㎝)。

 

 もともと、強い意志で防音ブースを導入する気はなかったが、ヤフオクで面白半分に入札していたら3万円ちょっとで落札できてしまった。

 取引条件があり、平日限定での引き取り限定であった。この条件が、安く落札できた理由か。出品地は埼玉県でした。


 軽トラでもレンタルして行こうとも思ったが、なるべく安く済ませたいので、自宅のライトバンにルーフキャリアを取り付けて、一人で出かけることとしました。


 誰かにサポートを頼もうとも思ったが、平日だし、所詮、段ボールの引き取りだからと、一人で行くと決めた。

 雨対策にビニールシート、ロープとガムテープなども用意。


 「だんぼっち」は、大体5CM厚の段ボールを6枚で箱型にする構造。分解も「ねじ」で止っているだけなので簡単。今回は、ばらした状態での引き渡しとのことでした。

 

 誤算は、自分が購入したものはグラスファイバーの防音シートが内部に貼られているので、厚さが倍の1枚約10cm程度になっていること。

 これをライトバンのルーフキャリアに乗せるだけでも、かなり難儀であった。

運搬も設置も一人で、なんとか完了できたのでよかった。当日は、埼玉の最寄りサービスエリアでご当地ラーメン1杯だけ腹に入れ、とんぼ返りであった。


 サイトには、多くの人が「だんぼっち」の改造方法について書いているが、今回自分が購入したものは、内部全体に「鉛シート(0.3mm厚)」が貼られ、その上にグラスファイバーの防音シート(約5cm厚)が貼られているものであった。

 あるサイトでは「魔改造」として紹介しているものと同等であり、改造分だけでも費用は7~8万円はかかると思う。

だんぼっち内部、上部が鉛シート(銀色)
それにグラスファイバーの吸音材(白)が貼ってある


 驚くほどお買い得であったと思う。

 簡単な換気扇を純正品でなく、類似品でインストールして数千円。

 中古なので、付属品のテーブルは無かった。代わりに家の余ったラックなどを活用し、電気を引き込み、CDラジカセなどを置き、室内灯と口元を見る鏡を設置した。

 

 床にはカーペットを引き、天井は、換気扇の穴がきれいに出るように新たに吸音材をならべた。全部で追加経費は2~3万円くらいだったか。


 吸音材を入れると厚さ5㎝×2で、内部サイズが、マイナス10cmの約94㎝×94㎝となる。高さも182cm位となる。改造するなら、やはりグランデしかないと思う。


電源と共に、曲が聴けるタブレットとCDラジカセなどを備えた

 冬の暖房は小さいホットカーペットで十分あたたまるし、夏の冷房は小型扇風機の前に水を入れて凍らせた2Lのペットボトルを置いてしのぐ。小型クーラーなど買わなくてもなんとかなるものです。


設置場所は、2階建て一軒家の1Fにしたが、音漏れ(防音)性能としては、夜間、隣の家のテレビの音が漏れ聞こえるという程度にまで減衰していると思う。

家の中ではというと、やはり少しうるさく、家族には迷惑なレベルだと思う。


多分、アパートの一室なら隣から苦情が来る可能性が高い。アパートで昼間吹くには、許容範囲かもしれないが、やはり、環境によりますね。


天井は、吸音材を変更。LEDライトを付け、口元を確認するため鏡も付けた。


それでも自分的には、近所には、昼夜通じて、ほぼ気兼ねなくケーナが吹ける状態にはなった(つもり)と思う。近所から苦情も来ていないし・・・。これが安心なのです。


狭いスペースなので、自分のケーナの音で、少し耳が疲れる気がして、また、時々片耳が聞こえにくいこともあったので(疲労性難聴かな)、100均で、飛行機に乗る時に用いる気圧調整用の耳栓を買って、笛を吹くときには装着するようにしている。


しかし、練習会場の公共施設などの広い部屋で、ケーナやサンポーニャを吹くと、やはり心地よい、気持ち良いとつくづく実感する。背筋も伸びる気がする。

サンポーニャ(トヨス・約140㎝)を内部で立てかけたところ、高さも余裕が無い位


 「だんぼっち」の導入は、自分的には大成功であったと思う。

 なにより、計画を立てて試行錯誤しながら、実行に移していること自体が、至福の喜び  

ありました。