七十歳になり、自分でも驚くほど夢中になっているものがあります。「ナンプレ」いわゆる数字のパズルです。あの小さなマス目に数字を一つ入れるたびに頭の中の霧が少し晴れていくようで、正解にたどり着いた時には小さな達成感が広がる。若い頃には「ただの暇つぶし」と思っていたが、今では立派な脳トレになっている。
この年齢になると、「物忘れ」という言葉が急に身近になる。人の名前が出てこなかったり、眼鏡をどこに置いたか忘れたりするたびに、少し不安になることもある。だからこそ、頭を使い続けることが大切だと感じている。ナンプレは、考える力だけでなく、集中力や粘り強さも鍛えてくれる。簡単には答えが見つからないからこそ面白い。途中で行き詰まりながらも、「もう少し考えてみよう」と粘る時間が、自分の脳をゆっくり刺激している気がする。
趣味で楽器の演奏をときどきしますが、指先を使い、耳で音を聞き、楽譜を追い、リズムを感じる、脳のいろいろな場所を同時に使うので、まさに総合的な脳トレなのだろう。
また、できる範囲で仕事を続けていることも、自分には大切だと思っている。人と会話をし、約束の時間を守り、少しでも社会の役に立っていると感じることで、生活に張り合いが生まれる。引退して何もしなくなると、気力まで衰えてしまいそうだ。もちろん無理は禁物だが、「まだ自分にできることがある」と思えることは、生きる力につながっている。
そして毎日の散歩や軽い運動も欠かせない。季節の風を感じながら歩いていると、体だけでなく心も整っていく。若い頃のようには走れなくても、自分の足で歩き続けることが大事なのだと思う。
年齢を重ねると、失うものばかりに目が向きがちである。しかし、七十歳になった今だからこそ、新しい楽しみ方や暮らし方も見えてきた。脳を使い、体を動かし、人と関わりながら毎日を過ごすこと。その積み重ねが、これからの人生を豊かにしてくれるのだと感じています。
